ドラレコの記録映像を守る基礎知識と対処法

いまや圧倒的な市民権を得たドライブレコーダー。

SNSはもちろん、CM、ラジオ、ホームセンターでも当然のように販売されています。

当社用意、持込、様々なケースでドラレコを販売、取付してきた今尾電機が最も重要だと考え、強く説明しているのが事故時、有事の際の対処の仕方。

つまるところドラレコの心臓、SDカードとの付き合い方。

今回は、警察や保険会社さんに聞いた情報も加えて、深く説明していこうと思います。

目次

SDカード、記録映像が一番大事

ドライブレコーダーを取付ける意味とは

ドラレコそれぞれに特徴や売り文句があって当然ですが、そもそもドラレコは何のために取付けるのでしょう。

それはもちろん。

事故やあおり運転などの映像を残す、確認するため。

残したい映像の種別に偏りや違いはあれど、レコーダーである以上、記録し、確認するのが主目的。

販売後、取付後の話に焦点を当てなければならない

その中でも最近のドラレコの販売は、ことのほか「録画性能」に重点を置いている傾向。

どれだけ鮮明に記録できるのか。高画質や視界の広さ、夜間視界の鮮明さなど。

ほとんどが、有事の際に映像を確認するまで、その恩恵にはあずかれない機能。

それらの機能の説明、いかに優れた機能かはネット上にいくらでも転がっていますが

事故やトラブルの時に、どういった対応をとるのが正解なのかは驚くほど知られていない。

ここで改めて、販売後、取付後、有事の際、ドラレコをどう使えばいいのかを掘り下げていきましょう。

実際にあったSDカードトラブル

事例その1 誤って映像を消してしまった

有事の際には、どんな人でも軽いパニック状態。

映像を残す、早く確認したいという思いが先行し、ドラレコ本体で映像を確認しようとする。

しかし、触るのは初めて、分厚い説明書を読み解く時間もない。とにかく色々といじってみる。

その過程で、必要な映像を消してしまっているお客様が一定数いらっしゃいます。

例えば・・・

○○時△△分に、云々の事故にあって!どうしたらいいかわからないから、映像を確認してほしい!

わかりました、一度見てみますね

あれ?

ないですね、○○時△△分。エンジンかけてましたか?

いや、××に行った帰りで云々。

たしかに、××にはいってるようですね、でもその先だけがないですよ。

そんなはずない!!!

そもそもドライブレコーダーのモニターは小さく、ボタンも小さいため確認が非常に難しい。

なんとか該当の映像までたどり着いた。もしくは探しているときに、誤って消去プロセスを踏んでしまう事例。

事例その2 エンジンをかけたままにしている

ドラレコを触ってもいないのに、肝心の事故時の映像が消えている!事故の1時間後の映像は残っているのに!

まず、この事例の説明には、ドラレコの機能「上書き保存」の説明が必要です。

上書き保存機能を考える

自動で上書きすることで連続的な動画保存を可能にする機能。

市場の99%のドラレコはこの機能を保有しているのではないでしょうか。

コムテックはこんな風に記載、説明しています。

ドライブレコーダーで撮影した映像はSDカードに保存され、容量が上限に達すると古い映像から上書きして保存されます。

https://www.e-comtec.co.jp/0_recorder/sdcard/

この上書き保存機能は、原則ドライブレコーダーに電源が入っている限り有効です。

例えば冬の寒い時期、警察、保険会社への電話中、エンジンをかけたまま、車内にいるケース。

その際も常にドラレコは駆動しており、映像の上書きが行われることになります。

そして肝心の映像を確認する際に、上書きされたことに気付く。肝心の映像はもうない。

これが事例2、上書きされてしまうケースです。

衝撃検知で上書きされない機能があるから大丈夫・・・ではない

いやいや、このドラレコには、上書きされないように映像を守る機能があるから大丈夫でしょ。

衝撃検知や、マニュアル録画など、物理的に上書きされない録画領域を用意したドラレコも確かに各種あります。

しかし、この機能を盲信するのは大変危険です。

衝撃検知は、そもそもドラレコが衝撃と認知した時だけ。

マニュアル録画に至っては、緊急時に全く違うボタンを押している可能性もある。

SDカードの記録映像を守るために、絶対にしてほしいこと

では、記録したであろう鮮明な映像を確認するにはどうしたらいいか。

衝撃録画などのドラレコ任せの機能より、もっと確かで簡単な対処法。

自分で確認する必要は、原則ありません。どうしても確認しなくてはならないときは、PCで確認しましょう。
ドラレコ本体で確認するよりもずっと見やすく、操作性も良好ですから。

STEP
事故にあった
もしくは映像を確認しなければならなくなった
STEP
エンジンを切る

大切な映像が上書きされないように、まずエンジンを切りましょう。これはドラレコ云々だけではなく、事故の対応としてもエンジンを切るべきです。

STEP
警察、保険会社に連絡する
STEP
SDカードをドラレコ本体から取り出す

ドライブレコーダー本体からSDカードを取り出しましょう。取り出したSDカードは紛失しないように気をつけて

STEP
警察、保険会社に提出する

事故の瞬間をとらえた映像を確認するのは、オーナーではなく、警察、保険会社。くらいの気持ちで。

今尾電機でドラレコを取り付けた後、持込、当社販売に関わらず、強く説明する対処法です。

分厚い説明書、細かな機能設定をするよりも、エンジンを切り、SDカードを抜く。このほうが覚えやすく、確かだと考えています。

この対処法の中には、警察、保険会社への言明も含まれています。

これは、私自身が事故にあったときに、警察、保険会社の双方からSDカードの提出を求められたから。

この機会に警察、保険会社はどういった対応を一般的にとるのか。

電話で聞き込みしてみました。

質問 事故の際、ドライブレコーダーの映像を確認してもらえるか。SDカードはどうしたらいいのか。

それぞれの自治体、保険会社様によって対応が異なる可能性があります。あくまでも当社で調査した結果です。

警察に電話で聞いてみました

事故の際、書類を提出していただきますが、その際に事故状況の確認のため、SDカードの提出を求めるときもあります。

なるほど。それは、警察のほうから言っていただけるのでしょうか、それとも、私たち当事者のほうから申し出るのでしょうか。

事例にもよりますが、私たちのほうから案内させていただくことが多いです。

あれば便利というニュアンスでの回答をいただきました。このあたりは事故の状況や担当の警察官によっても変わりそうです。

どちらにしても、SDカードはあって損なし、といったところでしょうか。

保険会社に聞いてみました

SDカードは、必ず提出してもらいます。

事故証明、当事者であるオーナー様がどのように運転していたのか、どちらが悪いのかを証明する重要な証拠です。
販売、取付する際にはSDカードの重要性を説明してください。

保険会社のほうは、SDカードは絶対に提出していただく、というニュアンス。

警察のほうよりも、鋭く早い回答で、提出は当然といった風体ですね。

最後のほうは、販売するときにSDカードの説明してないの?とちょっと怒られてしまいました。

気をつけます。

ドラレコは取付けてからが本番

当社にも事故の後、問い合わせが来ることがあります。

SDカードの破損などはアフター修理で何とかなる可能性がありますが、上書きの場合は本当にどうしようもなく。

せっかく取り付けたのに・・・とうなだれるお客様を見るのは、本当に苦しいです。

ドラレコのスペックも、当然重要ですが、事故があった際に、どういった対応をとるべきなのか。知ってほしい。

この記事の対応が100%正しいとは言いませんが、とるべき対処の一つではあるはず。

・事故、有事の際には。

・エンジンを切って。

・SDカードを取る。

・警察、保険会社に提出する。

ドラレコを取り付けたから安心、このドラレコには○○の機能があるから大丈夫、と油断していませんか?

大事な映像が消えて後悔する前に。しっかりとした対処をオーナーがとって、映像を守りましょう。

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