皆様、お世話になっております。暖かくなってまいりましたが、今まで当社で取り付けてきた12Vクーラーたちは元気に活躍しているのでしょうか。
一台として簡単だった取付がないだけに、心配と言いますか、なんでしょう。昔ずっと育ててきたポ〇モンを友人と交換した時の感情に似ているような・・・念のため言いますが、ふざけてませんよ。
車が車だけに公開を悩んでおりましたが、LIVINGSTONEもクーラー標準装備になったということでございますし、作業ブログあげようと思います。
お客様のご要望と作業内容

~時はさかのぼること1年前~

デュカトが納車されるのですが、クーラー、大容量のバッテリーシステムを取り付けていただきたいと考えております。
ついにきたか・・・(^^;

わかりました、なにぶん難しい車両でございますから、検討、打ち合わせは重々ご理解ください。
打ち合わせ、検討内容の全てを公開すると、それだけで4スクロールくらいの分量が必要になってしまうので、少々割愛。
作業内容は以下の通り。
車両納車までに2年半。その長い期間検討していただき、最後に選んでいただいたのが、当社。ヒエッ
身に余る光栄、そして、とんでもないプレッシャーを感じながらお車をお預かりいたします。
お客様の要望から考える「適切な」クーラー場所
車両後端はNG

まず、クーラーの取り付け場所でございますが、一般的な車両後端への取付ではありません。
一般的というほど普及している車ではありませんが、ほとんどの場合は車両後端に取付けられている印象。
百聞は一見に如かず、他のデュカト(公開予定作業)も踏まえながら、
一般的な取付位置は

まずリビングストーンは二段ベッドを採用していることが多いです。
この二段ベッド上段を使用するのか、しないのか。
なお、この場合の使用というのは、就寝スペースとしての活用ということです。
この点がデュカトにおけるクーラーの取り付け場所の検討においては重要となります。
よくクーラーがつけられている場所は。

この赤丸の箇所。
二段ベッド上段の上、重なるように取付けられることになります。
この取付方ですと、どうしても冷えに偏りが生じます。
冷えの偏りを避けつつ、後席のクーラーの効きを改善する

この写真のように二段ベッド上段を使用しない場合は全く問題ありません。

二段ベッドは使用します。なんとかなりませんか(;^_^A
お客様も一緒に検討です。
また、今回のヒアリングでデュカト純正車両クーラーの効きが悪いとの感想もいただいていましたので。
今回の取り付け場所は、ここ


ここが一番ですね。

たしかに。ここしかない。

え?


ここ??



棚の開閉もできないし、少し飛び出る格好であまり綺麗とは・・・

綺麗に棚を加工していただけますと、嬉しいです!

です!
バッテリーシステム


いやぁ、クーラー担当は大変だなぁ~

あ、バッテリーシステムの話をしないと。
既存システムを活用したバッテリーシステム


この純正サブバッテリーが付いている場所に新規でバッテリーシステム取付。

まぁ、増設するとしたらここしかないもんな。(新規で?)

純正の走行充電器がリチウムに対応してるらしいから、今回は交換なしで。

なるほどね。OK。配線図は?

^^

^^?
配線図は、ありません。
配線図なしでの、既存システム流用

恥ずかしい話、デュカトの純正サブバッテリーシステムの配線図は持ち合わせておらず、解析からのスタート。
新車購入ですので、ビルダーさんが、詳しいかもと安易に考え、お客様に聞いてみてと懇願。

走行充電器はリチウムいけるかもしれないって感じです。

あ、えっと、配線図とかってないですよね(;^_^A

(;^_^A(;^_^A
ビルダー様からしても、責任は負いたくないのでしょうね(;^_^A
仕方ないです、地道に解析していきましょう。
クーラー取付
まずは棚の構造を確認


とりあえず棚を外して内部構造を確認。
棚を加工するのではなく、棚を取外して、そのまま取り付ければ、加工の手間もなくなる!

工賃も安くなる・・・!(期待)

びっしり断熱層が貼ってありますね。
断熱層丸見えの車内というのは、どう考えてもNG。
残念ですが、加工するしかなさそうです。
今回使用するのは、横長クーラー

取付いたしますのは、横長12Vクーラー。
機能、冷え、省電力性、その全てで秀でているのですが、一点、でかいのが難点。
もちろん今回も、その筐体のデカさ、重さが難問として立ちふさがることになります。

- 自動風量制御(オートモード)あり。省電力。
- タイマー機能、あり
- スイング機能で風向きも自由
- 冷えの強さを自動で変更して省電力を実現
- 見た目!!!
- 構造上、重い
- 横に長い
棚を分解、加工の程度を考える

とりあえず棚を分解します。
加工も最小限にとどめたいので、どこまで分解すれば出っ張りを無くせるのかを実験。


おお!棚の蓋を外せば、ツライチ。よかった~、安心。
これなら、棚の蓋の加工だけで作業完了!

で?配管はどうする予定?

^^ま、そこは綺麗に。

^^

とにかく設置位置、そして完成後のイメージは描けたものの、配管の処理は未定。
ひとまず棚の蓋を加工している間にバトンタッチ。
バッテリーシステム(続き)
解析うんぬんの前に、そもそも入るのか。

こちらはバッテリーシステム担当。
特にリアシート用の骨組み金具が邪魔で、寸法の戦いは避けられない。

小さな暗電流も理解すれば待機電流

寸法検討と同時に。
テスターを用いながら、システムの解析と再構築を進めていきます。
0.01Aの暗電流もしつこく追及します。
クーラー取付(続き)
下回りへの拘り

バッテリー担当が思いの外苦労していたので、室外機の取付検討。

クーラーの室外機は、取付後にお客様が見つけられないくらいにしたい。
とは作業者談。
正面は綺麗にできたけど。


おお!!綺麗。配管が消えた!

正面は、クーラー本体を加工して配管を隠すことができたけど・・・
さらっと言ってますが、クーラー室内機を改造するのも勇気いりますね。

裏側は、最悪かな。


うーん・・・
極力予算内で、極力綺麗に。

このまま完成は絶対いや。何とか綺麗に処理したい。

近くのホームセンターを探し回り、カタログ、ネットを見つめながら。
お金をかければ綺麗になるのでしょうけど、そうなると費用が掛かりすぎる。
普段は見えないところなので、お金をかけすぎず、見えたときに納得できるレベルまでは、頑張りたい。
必要以上の装飾を除き、配管のカバーを考えます。

集めた部材を組み合わせて、カバーを作成。

この配管のジョイントだけが、邪魔だ・・・仕方ないか・・・
仕上げ工程に入ります。
バッテリーシステム(終わり)

BTシステムも完成間近。
お客様最初は600Ah以上をご希望でしたが、過去のお客様の話から400Ahでも充分使用できると考え、まずは400Ah。使用できなければ600Ahに増設する段取りにて作業しておりました。
実際に使用できたかどうかは、実験編と後日談にて。

この形で、一応あと200Ahの増設も可能。
クーラー取付(終わり)


最終完成。
エントランスからの眺めは100点。文句なし。
まったく配管が見えませんね。



少し悔いが残る、トイレ部の配管処理。
オーダーメイドの配管カバーまで、できたなら・・・・

これにて全体作業完了となります。
ブログの総量はクーラーのほうが多いですが、大変だったのはバッテリーシステムのほう。
デュカトの制御自体、なにやら曖昧なところも多く、納得できる水準までは道のり長かった。
ただ、この経験が後のデュカトたちへの作業に役立ったのも事実。
今後、恐らく投稿することになるでしょう二台のデュカトと合わせて、デュカト三連星と呼ぶことにします。
本当大変だったので・・・
そして、実験に続く

今日の暑さでもエアコン効きそうですか?
さすがに実験編までは長すぎるので、投稿を二つに分けることに。
もう充分長いか・・・ごめんなさい。
