皆様お世話になっております。
最近、否、取り扱いを始めてから、特にポータブルバッテリーの発展と共に。
12Vクーラーって、ポータブルバッテリーで動かせますか?
良く問い合わせをいただきます。
主語は様々。
しかし最も問い合わせが多いのが12VクーラーとFFヒーター。二台巨頭。
結論を先に。
(特に12Vクーラーを)ポータブルバッテリーで動かすのは、全くおすすめしません。
とりあえず、何故お勧めしないのかを知りたい方はブログの最後まで、目次で飛んでくださいませ。
今回の車両はN-VAN。
この車が当社で初めて仕上げる。ポータブルバッテリーを電源とした車両。
クーラーの平均消費電流は50A。これだけの大電流を変換なんて、危なすぎですよ。だめです。
いや、でもね、試したことないでしょう。なんとかしてよ~
いや、でも、うーん。熱も心配だし、ゴニョゴニョ
お客様にもご予算がありますし、ご要望はご要望。
デメリット、危険性を聞いていただいて、ご納得いただいたなら、仕方がありません。
仕方がない、というのは違いますね。
ご納得いただいたなら、全力を尽くすまで。です。
ともかく取付を進めなければ!
使用しますのは、ワンクールタイプの12Vクーラー。
とにかく取付を完了させなければ、電力の話などできません。
始めましょう。
四駆と二駆は全然違う。
初めてクーラーを取り付けたN-VANは四駆だったので、二駆のN-VANへの取付は初めて。
四駆よりはスペースあるものの、下回りは別物ですから再検討。
全面防音断熱もやったよ。
今回も全面防音断熱施しましたが、ブログの主題からは少し外れてますので
ざっくりご紹介。
嘘やろ、大変やったのに。
FFヒーターの位置が難しいなぁ。
燃料配管やマフラーも入り組んでおりますので、かなり難易度高め。
また、取付けた後に、椅子が取り付けられない。なんてことにならないよう。
位置が決まれば、あとは魔法(物理)をかけるだけ。
ギャリゴリギャリゴリ
組み上がってきました。
動作点検。動くかどうか。
鋭いお客様はお気づきかもしれませんが、FFヒーターの手前にあるのがコンバーター。
エコフローに限らず、ポータブルバッテリーには12Vの電力も一応あります。
しかし、その容量は10Aほど。
12Vクーラーは最初に説明した通り約50A。FFヒーターでも瞬間20Aになる場合もありますから
全く足りません。
そこで、ポータブルバッテリーの100Vをコンバーターで12Vに変換して。
クーラーなどのシステムを取り付けることになります。
とりあえず、動くのは動きましたので、まずは安心。
ただ、動いただけです。ここからが本当の点検。
全面防音断熱仕上げ。作業者よ、写真少なくてゴメン
断熱の仕上げして。
写真、少なすぎじゃない?(#^ω^)ピキピキ
連続動作点検、結果。
連続動作点検は、一時間が限界でした。精神的に。
コンバーターが触れないほどに熱くなった段階で、実験中止。怖すぎます。
それでも、お客様は一度使ってみるとのことですので、あえなく納車です。
何かあってしまっては遅いです!長時間は動かさないでくださいね。危なかったらサブバッテリーシステムに変えてくださいね。
わかりました、一度使ってみます!
12Vエアコンはコンバーターを使えば、ポータブルバッテリーで動くのか。
先ほど少し述べたように、コンバーターを用いて100Vを12Vに変換して、50Aを消費しています。
いったい何が問題なんでしょうか?
実際に変換できて、使用できているならいいじゃないか。
一理あります。
ここで。
ポータブルバッテリーで電装品を動かす理由は何か。
考えてみましょう。
- 価格
-
今あるポータブルバッテリーを使って、少しでも安く抑えたい
- 積載性
-
ポータブルバッテリーなら、積み下ろしが可能。現状復帰が簡単
- 汎用性
-
クーラーのため、車のためだけではなく、災害のためともいえる
ほとんどのお客様が、こうおっしゃいます。なるほど、確かに。その通りです。
これを考えると、コンバーターの条件も決まります。
コンバーターの条件、実現のための条件
安く、小さく、品質が良い
同意します。激しく。
しかし、ないのです。そういうコンバーターが。
クーラーもFFヒーターもその使い道を考えると長時間使用するもの。
一般的に5~8時間、それ以上の時間使用することを期待して当然です。
難しい。
5~8時間、連続で12Vに変換して、50Aをコンスタントに出力する。
これがいかに大変なことか。どれだけの熱を発して、どれだけの負荷をかけているか。
変換効率が高く(許容電流が大きく)、放熱性も高く、不可に耐えうる品質。
これがコンバーターに求められる条件です。
実現するにはこうなります。
高額で、巨大で、品質が良い。
市場にはないコンバーターへの期待
こういうコンバーターを導入するなど、もはやポータブルバッテリーのメリットを自ら消しているだけです。
Amazonで売られている5000円くらいのコンバーターなど論外です。
DIYレベルなら構いませんが、会社として販売するなど、恐怖でしかありません。
安くて小さいものはあります。品質はまったく駄目ですが。
高額で巨大なものはあります。車でつかえるかどうかは疑問ですが。
付け加えておくことが一つ。
これは、今、の話です。
いつか条件を満たす。安くて小さくて品質のいいコンバーターが見つかったなら。
その時はポータブルバッテリーで動かすのも一手だと思います。
本当はここで、サブバッテリーシステムとポータブルバッテリーの違いも書き上げるべきなんですが、さすがに長くなりすぎますので割愛。
お客様のご要望全てにこたえたいのは、当然の想いなんですが。
理論上不可能、危険であると判断することは正直に言うしかありません。
あ~あ、良いコンバーター!出てきてくれませんかねぇ~